新NISAの始め方 【4ステップ】
【STEP1】 金融機関を決める
金融機関の選択は、積立NISAを成功させるための最初の重要なステップです。適切な金融機関を選ぶことで、手数料の節約、サービスの質、利便性が向上し、長期的な資産形成に大きく貢献します。
銀行に郵便局、証券会社とNISA口座開設先の選択肢はいくつもありますが、当サイトでおすすめするのはネット証券です。ここではその特徴を解説します。
ネット証券 | 店舗証券 | 銀行・郵便局 | |
商品の多さ | ◎ | ◎ | △ |
手数料の安さ | ◎ | ○ | △ |
窓口対応 | × | ◎ | ◎ |
口座開設の速さ | ◎ | △ | △ |
低コスト・口座開設が早いネット証券がおすすめ!
楽天証券
SBI証券
個別株もどんどん手数料無料化!
ネット証券の大きな魅力が手数料の安さといえます。新NISAの開始に合わせて各社は売買手数料の無料化を行い、よりおトクに投資を始めることができる環境になってます。
【STEP2】証券総合取引口座とNISA口座を開設する
NISA口座を開設する場合には同じ金融機関で一緒に「総合口座」も開設する必要があります。その証券会社で資金や金融商品を管理するために必要で、NISA口座しか利用しない場合でも開設しなくてはなりません。「管理が大変だから口座を増やしたくない」と思うかもしれませんが作ったまま基本放置でも問題はありません。
NISAだけを使う場合でも総合口座の開設が必要!
総合口座はいわば証券会社のメインの口座です。銀行と同じように、各金融機関での開設が可能。ただNISA口座だけはひとり1口座までと決まっています。例えば楽天証券でNISA口座があるならマネックス証券では開設できません。ほかの金融機関に資産を移す場合は手続きが必要になるので、最初の金融機関選びは慎重に選びましょう。
総合口座は複数持てるがNISA口座はNG!変更可能だが手続き必要!
総合口座はいくつかの種類から選ぶことになります。簡単に違いを説明しますと、「一般口座」は利益の計算を自分で行い、「特定口座」は証券会社に任せられます。一般的な株式投資をするために一般口座を選ぶメリットは特にありませんので、「源泉徴収ありの特定口座」を選べば大丈夫です。
基本は手間のかからない「源泉徴収ありの特定口座」を選べばOK!
まずサイトの方から口座開設を申し込みましょう。各証券会社は定期的に新規開設キャンペーンなどを開催しているので、そちらも見逃さないようにしましょう。次に本人確認書類をアップロードしていきます。なお、楽天証券の場合は本人確認書類と顔写真の撮影をスマホで行って、本人確認の照合手続きを済ませることができます。スマホなら最短翌営業日から、すぐに取引可能です。書類の場合は取引開始までに数営業日から1週間程度かかるので注意しましょう。
【STEP3】 投資する商品を選ぶ
枠によって買える商品が違う
新NISAと旧NISAで大きく変わったポイントのひとつが「枠」の新設になります。2023年までのNISAでは、投資信託の積立投資ができる「つみたてNISA」と特定の企業の株式(個別株)を一括投資で買える「一般NISA」に分かれていて、この2つは併設できませんでした。しかし、新NISAではつみたてNISAを引き継ぐ「つみたて投資枠」、一般投資枠を引き継ぐ「成長投資枠」に名前が変わるとともに、両枠の併用が可能になりました。つまり「コツコツと長期間に積立投資を続けながら、ときには個別株に一括投資をする」というような柔軟な投資ができるようになりました。なお、2つの枠があるといっても、両方を必ず利用する必要はありません。
旧NISA | 新NISA | |||
つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 | ||
投資可能期間 | 2023年末で買付終了 | 2024年からいつでも(恒久化) | ||
非課税期間 | 20年間 | 5年間 | 無期限 | |
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資上限 | 800万円 | 600万円 | 1800万円 (うち成長投資枠1200万円) | |
投資商品 | 国が定めた基準を満たす 投資信託・ETF | 上場株式・ETF・REIT・投資信託 | 国が定めた基準を満たす 投資信託・ETF | 上場株式・ETF・REIT・投資信託(高レバ投信等除く) |
投資方法 | 積立 | 一括・積立 | 積立 | 一括・積立 |
両制度の併用 | 不可 | 可 | ||
売却時の再利用 | 不可 | 可 (投資元本ペースの管理、枠復活は翌年) |
つみたて投資枠と成長投資枠を両方使う必要はありません。まずは「つみたて投資枠」から始めるのがおすすめです。そもそも積立投資とは、各月や各週など一定の間隔で一定額を積み立てていく投資スタイルを指します。投資対象の商品には値動きがあるため、購入できる量はその都度変わります。例えば投資対象の商品が2,000円なら5口分、2,500円なら4口分が買えます。商品の価格が安いときには多く、高いときには少なく買えるので、「高値でたくさん買ってしまう」というリスクを抑えられます。積立投資を行うのに適した「投資信託」は、ひとつの商品にあらかじめ複数の投資対象が含まれているため、株式よりも値動きがゆるやかで、長期の資産形成に向きます。
まずは「つみたて投資枠」から!
つみたて投資枠と成長投資枠では投資できる金融商品が異なります。決まったタイミングで決まった金額を積み立てる「つみたて投資枠」では、投資信託やETFの購入が可能です。「成長投資枠」では、それに加えて株式やREITもできます。株式が特定の企業へ投資するのに対し、「投資信託」と名前がつく商品は、ひとつの商品の中に複数の投資先が含まれています。つまり、特定の投資先の評価額が下がっても、他の投資先の利益でカバーできるためリスク分散効果が高いです。
ETF (上場投資信託) | 投資信託と比べて低コスト | ETFとは証券取引所に上場している投資信託のこと。保有コストが低く、リアルタイムで値動きする。分配金を再投資する場合、手動で買付が必要。 |
分配金が自動的に再投資されない | ||
投資信託 | 1万円単位で非課税枠を使い切りやすい | 投資のプロに運用をお任せして、運用益が出たら投資家に分配する金融商品。100円単位という少額からでも取引ができ、初心者でも始めやすい。 |
預けている期間は手数料がかかる商品も |
安定したリターンを狙うなら「投資信託」
【STEP4】積立設定する
口座開設後の初期設定では、積立日や積立額など、ざっと4項目を決めるだけです。投資する商品が決まっていれば5分もかからずにスタートできます。積立投資は一度設定してしまえば、以降は自動で積み立ててくれるため、基本はほったらかしで大丈夫です。毎日相場をチェックする必要はありません。投資には長期間になるほど成績が安定するため、相場が急落しても、焦って投資を止めてしまわないよう気長に待ちましょう。
初期設定は次の4つを決める! | |||
1 積立日 | 2 毎月の積立額 | 3 分配金コース | 4 引き落とし設定 |
投資信託を積み立てる日。支払い方法を口座引き落としにする場合は、残高不足を防ぐために給料日あとがおすすめです。 | 積立額はあとから変更もできるのが、頻繁に増やしたり減らしたりするのは避けた方が無難です。無理なく続けられる額にしましょう。 | 分配金とは運用で得た利益から投資家に還元されるお金。現金として受け取ることも可能だが基本は「再投資」を選ぼう。 | 引き落とし方法は基本的に証券口座からととなるが、金融機関によってはクレジットカードや提携電子マネーが選べ、ポイントが付きます。 |
つみたて投資枠で積立設定したら、あとは自動で投資してもらえる!
新NISA(つみたてNISA)を始める前に知っておきたいこと
NISAとは?
NISAは投資の利益にかかる税金を非課税にできる制度です。本来、20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用して投資をすれば利益にかかる税金はゼロになります。NISAの制度は2024年1月に改正されました。新NISAは日本に住む18歳以上の方ならば誰でも利用できます。NISAを利用した投資で得られた利益はいつまでも無期限で非課税にすることができます。
新NISAはこれから投資でお金を増やしたい人ならぜひ活用したい制度
新NISAには、積立投資専用の「つみたて投資枠」と、株やREITなどにも投資できる「成長投資枠」の2つがあり、両方を併用して投資が可能です。つみたて投資枠では年120万円、成長投資枠では年240万まで投資ができます。さらに、新NISAの資産を売却した場合、翌年に売却枠が復活し、再び非課税の投資をスタートできます。
NISAを始めてる人は近年急増中。将来的には国民の4人にひとりが使ってる予測に
新NISAのメリットは?
つみたてNISAのメリットは、以下の4つです。
- 一生涯ずっと非課税
- リスクを抑えて少額から投資を始められる
- 投資のタイミングに迷わない
- 必要なときに解約・換金できる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
一生涯ずっと非課税
通常、株などの売買で得た利益からは約20%の税金が引かれます。例えば100万円の利益を上げたとしても、手元に残るのは約80万円だけになります。ですが、NISAを使えば税金ナシ。利益がまるッと手取りになります。しかも2024年からの新NISAはどれだけ運用してもずっと非課税になります。
リスクを抑えて少額から投資を始められる
NISAで投資できる金融商品にはさまざまな種類があります。企業が発行している個別株式、不動産などに投資できるREIT、いろんな金融商品をひとまとめにした投資信託など、それぞれ特徴や必要投資額が異なりますが、ビギナーは少額から始められる投資信託を選ぶのがおすすめです。最低100円からコツコツ投資をしていけます。
投資のタイミングに迷わない
投資って一日中PCと向き合うんじゃないの?って思う人もいるかもしれませんが、もちろん短期間の値上がり益を狙う方法もありますが、大きな損失が出る恐れもあります。積立設定をしてしまえば、あとは自動で投資していけるので、投資のタイミングを考える必要はありません。
必要なときに解約・換金できる
新NISAでは個人が同時に運用できる最大額(生涯投資枠)が1,800万円と決まっていますが、これは一度使ったら終わりということではありません。資産を取り崩した際に復活する仕組みがありまして、例えば1,800万円投資している人が、100万円分だけ資産を売却した場合、また100万円分を投資できるようになります。急な出費が生じたら取り崩し、余裕ができたら再投資する。自分のペースで運用が可能です。
iDeCo(イデコ)との違いは?
iDeCoは、「個人型確定拠出年金」とも呼ばれる私的年金の一つです。私的年金とは国民・厚生年金制度の公的年金とは別に、老後の資産形成を目的に月々一定の掛け金を払う(拠出する)年金制度のことです。iDeCoでは、拠出したお金で預貯金や保険、投資信託などを運用し、資産を増やしていきます。最大のメリットは節税効果です。iDeCoではNISA同様、運用えきに税金がかかりません。それに加えて、掛け金が全額所得控除できて毎年の所得税や住民税が安くなるというNISAにはない強みがあります。一方で老後に向けた年金制度の1つであるため、原則60歳以降でないと受け取れません。
新NISAの注意点
①NISAの売却益は損益通算できない
通常の課税口座
通常、上場株式等を売却した際に譲渡損失額が発生した場合は他の口座の利益と相殺することができ、これを「損益通算」呼びます。損益通算で利益を小さくすることで、引かれる税金も小さくできます。
NISA口座
NISA口座で上場株式等で売却した際に生じた譲渡損失額は「ないもの」とみなされます。そのため課税口座との損益通算はできず、課税対象額を少なくして節税することはできません。
②売却した非課税枠は「翌年」に復活する
新NISAは取得価額(購入価額)ベースの上限が1,800万円と決まっており、投資を売却したらその元本分の非課税枠は復活するという制度設計です。なお、売却回数の制限はなく、何度でも非課税枠の復活・再投資が可能です。ただし注意してほしいのは「非課税枠の復活は売却年の翌年」である点です。また、非課税枠を再利用する場合であっても、年間投資額(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を超えた額の非課税投資はできない点も覚えておきましょう。
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